ぜんそく患者の4割は高齢者

気道に慢性の炎症が起こっている状態を「ぜんそく」といいます。ぜんそくの人は気道が狭くなっており、粘膜も過敏になっています。そのため、そこにカーペットやペットのダニ、タバコの煙、そのほかアレルギーを引き起こす物質が付着すると、粘膜は過敏に反応し、気道がぎゅっと狭くなります。これがいわゆる喘息の発作です。

発作が起きると、しつこい咳や痰が出る、ゼーゼーヒューヒューとのどが鳴る、息切れをする、呼吸ができなくなるなどの症状が出ます。酷くなると生命にかかわります。ぜんそくというと小さいお子さんがかかる病気だというイメージが強いかと思いますが、実際は患者の3分の2が成人で、特に4割は65歳以上の高齢者となっています。

子供のぜんそくはほとんどのケースで原因となるアレルゲンがはっきりしているのに対し、大人では6割程度しかわかっておらず、高齢者になるほどその傾向は顕著になります。したがって、中高年の場合、アレルギー体質の人は勿論、自分ではそうではないと思っている人も喘息なる可能性はあるのです。

発作のもっとも多い誘引はウイルス感染(かぜ)です。冬は空気が乾燥しており、湿度も低いため、インフルエンザなどのウイルス性の感染商人かかりやすく、ぜんそくがおきることがあります。また、部屋の内外での急激な温度差が、引き金となることもあります。特に気温が5度以上下がるとぜんそく発作が起きやすいとされています。

慢性的に咳がでる、特に呼吸機能が低下する早朝に咳き込みやすい人は、ぜんそく、もしくは前段階の咳ぜんそくと考えられます。咳ぜんそくの症状はその名前の通り咳ですが、うち3割か4割の人は、本格的なぜんそくに移行します。心当たりのある人は医療機関を受診をしましょう。