呼吸不全とは、血中の酸素と二酸化炭素が異常値を示し、生体が正常な機能を果たすことができない状態です。厳密には、血中の動脈血酸素分圧(PaO2)が60mmHg以下、二酸化炭素分圧(PaCO2)が45mmHg以上を呼吸不全と言います。また、この状態が1ヶ月以上続く場合には慢性と規定されます。

酸素分圧だけが低下するⅠ型呼吸不全と、酸素分圧が低下し、二酸化炭素分圧が上昇するⅡ型呼吸不全があります。Ⅰ型の代表的な疾患には間質性肺炎や肺線維症が、Ⅱ型の代表的な疾患には肺結核後遺症が挙げられます。COPDはこのどちらにもなる可能性があります。

Ⅰ型では二酸化炭素の蓄積がないので、十分量の酸素を吸入することができます。一般的には吸入酸素量は安静時は1~2ℓ/分が適当です。歩行時や入浴時にはこの2倍量とするのが普通です。

Ⅱ型では、不用意に高流量の酸素を吸入すると血液中の二酸化炭素が上昇し、頭痛や意識障害を起こすことがありますから注意が必要です。一般的には低流量の酸素吸入とし、血液ガスの検査により適正な量を決めます。