呼吸が苦しくなる自然気胸

自然気胸は10代から20代の若い男性に多くみられる病気で、手術を受ける患者は年間1万人を超えるといわれています。肺で酸素と二酸化炭素の交換を行う肺胞の一部が壊れて融合し、風船のように膨らんだ肺のう胞(ブラ)の破裂がきっかけで起こります。空気が肺の外側の胸腔に漏れて肺が縮み、胸や背中の痛み、息苦しさなどが現われます。

呼吸が苦しくなる自然気胸

ブラの発生原因は、解明に至っていませんが、身長が高く、痩せ型で、胸板の薄い男性に多いことから、成長期に肺が十分に成長しなかったことが原因と、呼吸器外科の専門医は考えています。経度なら、胸に小さな穴を空けて胸腔の空気を抜き、安静にして肺の穴が塞がるものを待つこともできます。

ただし、破裂しやすい部分がそのまま残るため、再発することも少なくありません。根治するには、ブラとその周辺組織を切除して、穴を縫い合わせる手術が必要です。胸腔鏡手術は、カメラや切除器具を挿入する穴をあけて行います。